1. All-Sky Images in False-Color at Paratunka (630nm, 558nm) カムチャッカ(パラツンカ観測点)で、波長630nmの赤い光の発光を全天カメラで とらえた画像。光の強さを人工的な色をつけて疑似カラー表示で表している。 時刻はUT(日本時間ー9時間)で、08時02分19秒UT(日本時間17時02分19秒) から14時00分20秒UT(日本時間23時00分20秒)までの5枚の画像。 魚眼レンズの像なので、上が北。左が東。右が西、下が南。画面の 中心が天頂。露出は630nmが40秒、558nmが30秒。08時UT以降(日本時間17時以降)、 北から波長630nmの赤いオーロラが現れて南に移動し、14UT頃に天頂付近で弱く なっていくことが分かる。右下の画像は右上と同じ11時UT(日本時間20時)の 緑(波長558nm)の画像で、同時刻の右上の赤い光(波長630nm)に見られる オーロラが見えないことから、このオーロラは赤い光が主に発光している Stable Auroral Red (SAR)アークであると思われる。
2. Magnetic Field and Photometer Data at Rikubetsu ISEE附属の北海道陸別観測所で観測された地磁気変化(時刻はUT、 UT=日本時間ー9時間)。下からH(北向き)、D(東向き)、Z(下向き)の3成分の 地磁気変動。11月04日の00時UT(日本時間で9時)からH成分(北向き成分)が どんどん減少して磁気嵐が発達していることがわかる。低緯度オーロラは 07:30-15:00UT(日本時間で11月04日の16時半から真夜中)に観測されたが、 09UTや11UTからH成分が急に増大し始め、それぞれ2時間くらいでもとに戻っており、 これらの時間帯に磁気圏サブストームが発生していたがわかる。 上の3枚のパネルは北の方角を向いている固定型分光フォトメータで計測された それぞれの波長の発光輝度である。残念ながら陸別は曇っていたので、オーロラ の発光は観測されていない。
3. Magnetic Field and Photometer Data at Moshiri ISEE附属の北海道母子里観測所で観測された地磁気変化(時刻はUT、 UT=日本時間ー9時間)。下からH(北向き)、D(東向き)、Z(下向き)の 3成分の地磁気変動。陸別観測所とほぼ同じ地磁気変動が観測されている。 上の3枚のパネルは北の方角を向いている固定型分光フォトメータで計測された それぞれの波長の発光輝度である。母子里観測所はおそらく晴れていたが、 オーロラの発光は観測されていない。カムチャッカの全天カメラの画像からも 分かるように、北海道まではオーロラは到達していなかった。
4. Station Map パラツンカ観測点、陸別観測所、母子里観測所の位置関係。 半径500kmの円はパラツンカと陸別の全天カメラのおおよその視野を表す。
Special thanks to: りくべつ宇宙地球科学館(銀河の森天文台) 横関信之様(名古屋大学太陽地球環境研究所・陸別観測所) 池神優司様(名古屋大学太陽地球環境研究所・母子里観測所) 加藤泰男様、濱口佳之様、山本優佳様、足立匠様(名古屋大学太陽地球環境研究所・技術職員) ロシア科学アカデミー極東支部・宇宙物理学及び電波伝搬研究所(IKIR, FEB RAS)
オーロラと低緯度オーロラのかんたんな解説
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