1. Photometer Plot at Rikubetsu 陸別の掃天フォトメータのデータ。観測波長はオーロラの630nmの光 (酸素原子)と夜間大気光の839.9-843.0nmの光で、グラフの下の方が北、 上の方が南の光の強さを表す(天頂角は図の左に示した)。明け方4時過ぎ から観測終了(05時半)の時間帯に、波長630nmの赤い光が北の方角 (天頂角-74.88°)で明るくなっている(赤い矢印で示した)。最大の 明るさは朝04時33分頃で0.257kRであった。
2. All-Sky Images in False-Color at Rikubetsu (630nm) 陸別で、波長630nmの赤い光の発光を全天カメラでとらえた画像。 光の強さを人工的な色をつけて疑似カラー表示で表している。時刻 はUT(日本時間ー9時間)で、16時33分35秒UT(日本時間01時33分35秒) から20時08分05秒UT(日本時間05時08分05秒)までの12枚の画像。 魚眼レンズの像なので、上が北。左が東。右が西、下が南。画面の 中心が天頂。露出は40秒。空はやや曇りがちであるが、19時UT以降 (日本時間04時以降)、北から北北西の空にかけて、オーロラが地平線 近くに現れている。
3. All-Sky Images in False-Color at Rikubetsu (557.7nm) 陸別で、波長557.7nmの緑の光の発光を全天カメラでとらえた画像。 波長630nmの画像と図の書式は同じで、同じカメラで波長を切り替えて 撮影している。露出は30秒。雲や西北西の街明りは630nmの画像と同じ ように写っているが、北の空のオーロラはこの画像には写っていない。 このことから、波長630nmの画像の北の光は雲や街明かりではなくオーロラで あることがわかる。
4. Magnetic Field at Rikubetsu 陸別で観測された地磁気変化(時刻はUT、UT=日本時間ー9時間)。 下からH(北向き)、D(東向き)、Z(下向き)の3成分の地磁気変動。 12月20日の00時UT(日本時間で9時)からH成分(北向き成分)が どんどん減少して磁気嵐が発達していることがわかる。低緯度オーロラは 19:00-20:30UT(日本時間で12月21日の04時から05時半)に観測されたが、 その直前からH成分が急に増大し始め、1時間くらいでもとに戻っており、 この時間帯に磁気圏サブストームが発生していたがわかる。 上の3枚のパネルは北の方角を向いている分光フォトメータで計測された それぞれの波長の発光輝度である。今回のオーロラ光に伴うと思われる 増光が、波長630nmの19時UT以降にかすかに見える。
Special thanks to: りくべつ宇宙地球科学館(銀河の森天文台) 横関信之様(名古屋大学太陽地球環境研究所・陸別観測所) 瀬良正幸様、池神優司様(名古屋大学太陽地球環境研究所・母子里観測所) 加藤泰男様、濱口佳之様、山本優佳様、足立匠様(名古屋大学太陽地球環境研究所・技術職員)
オーロラと低緯度オーロラのかんたんな解説
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