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2024年10月11日午前2時から04時半(日本時間)及び12日19時から翌13日にかけて、 北海道にある名古屋大学宇宙地球環境研究所の母子里観測所及び陸別観測所で、 磁気嵐に伴う低緯度オーロラを観測した。このオーロラは11日の午前0時過ぎから開始した 巨大磁気嵐の主相において発生している。このオーロラの最大の明るさは、酸素原子の 発光輝線である波長630nmの赤い光で母子里観測所で約2.2kR(キロレイリー、 明るさの単位)、であった。 観測は高感度全天カメラ(陸別)、磁力計(陸別、母子里)、北の空を見ている3波長 フォトメータ(陸別、母子里)を用いて行われた。以下にその図を示す。
1. Magnetic Field and A Northward-Looking Photometer at Moshiri on October 10, 2024 10月10-11日に母子里で観測された磁場変化(時刻はUT、日本時間ー9時間)と、北の方向地平線から 15度を見ているフォトメータによる北の空の明るさ。下の3つのパネルは地磁気の H, D, Z(北向き、東向き、下向き)成分。10月10日15UT過ぎからH成分が急上昇してその後 大きく減り続けており、磁気嵐が発達しつつある主相であることが分かる。 上の3つのパネルは北の地平線から15度の方角を見ている3波長フォトメータの データ。波長630nmの赤い光(上から3番目のパネル)の明るさが17UTから大きく 上昇しており、19:30UT頃(日本時間の04時)に2.2kR付近まで達している。 同時に観測している波長557.7nmの緑の光や波長427.8nmの青い光(上から1番目と2番目のパネル) にはこのような増光はほとんど見られない。2. Magnetic Field and A Northward-Looking Photometer at Rikubetsu on October 10, 2024 10月10-11日に陸別で観測された磁場変化(時刻はUT)と、北の方向地平線から15度を 見ているフォトメータによる北の空の明るさ。地磁気の変動は母子里で見えるものと ほぼ同じ。上の3つのパネルは北の地平線から15度の方角を見ている3波長フォトメータの データ。残念ながらこの晩は陸別はほとんど曇っており、上の3つのパネルのフォトメータの データには増光は見られない。但し18UT付近に短時間だけ、赤い光(630nm)が少し増光している 部分が見られる。3. Magnetic Field and A Northward-Looking Photometer at Moshiri on October 11, 2024 10月11-12日に母子里で観測された磁場変化(時刻はUT、日本時間ー9時間)と、北の方向地平線から 15度を見ているフォトメータによる北の空の明るさ。下の3つのパネルは地磁気の H, D, Z(北向き、東向き、下向き)成分。前日に急減少したH成分がゆっくりと上昇しており 磁気嵐の回復相であることが分かる。 上の3つのパネルは北の地平線から15度の方角を見ている3波長フォトメータのデータ。 波長630nmの赤い光(上から3番目のパネル)の明るさが観測開始の10 UT(日本時間19時) から大きく上昇しており、2.2kR付近まで達している。同時に観測している波長557.7nmの 緑の光や波長427.8nmの青い光(上から1番目と2番目のパネル)にもわずかな増光が見られる。4. Magnetic Field and A Northward-Looking Photometer at Rikubetsu on October 11, 2024 10月11-12日に陸別で観測された磁場変化(時刻はUT)と、北の方向地平線から15度を 見ているフォトメータによる北の空の明るさ。地磁気の変動は母子里で見えるものと ほぼ同じ。上の3つのパネルは北の地平線から15度の方角を見ている3波長フォトメータの データ。残念ながらこの晩も陸別はほとんど曇っており、上の3つのパネルのフォトメータの データには母子里で見られたような顕著な増光は見られない。Special thanks to: 陸別町銀河の森天文台 横関信之様(名古屋大学宇宙地球環境研究所・陸別観測所) 池神優司様(名古屋大学宇宙地球環境研究所・母子里観測所) 加藤泰男様(名古屋大学全学技術センター) 山本優佳様(名古屋大学全学技術センター) 足立匠様(名古屋大学全学技術センター)
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