北海道で観測された低緯度オーロラ (2026年1月20日)
Low-Latitude Aurora of January 20, 2026



2026年1月21日1時11分(日本時間)、陸別町ポントマムの北海道-陸別HFレーダーサイトで 撮影された低緯度オーロラの写真。提供:名古屋大学宇宙地球環境研究所 西谷望准教授。

2026年1月20日20時頃から翌21日06時頃(日本時間)にかけて、北海道にある名古屋大学
宇宙地球環境研究所の陸別観測所で、磁気嵐に伴う低緯度オーロラを観測した。
このオーロラは1月20日の03時頃から開始した強い磁気嵐の主相から回復相にかけて発生している。
このオーロラの最大の明るさは、酸素原子の発光輝線である波長630nmの赤い光で陸別観測所で
約1kR(キロレイリー、明るさの単位)であった。同研究所の母子里観測所は曇りで
観測ができていない。

観測は北の空を見ている3波長フォトメータ、磁力計、全天カメラ、カラーカメラを用いて
行われた。以下にその図を示す。


1. Magnetic Field and A Northward-Looking Photometer at Rikubetsu on January 20, 2026
1月20日に陸別で観測された磁場変化(時刻はUT、日本時間ー9時間)と、北の方向地平線から
15度を見ているフォトメータによる北の空の明るさ。下の3つのパネルは地磁気のH, D, Z
(北向き、東向き、下向き)成分。1月20日00 UTから12 UTに向けて急激に
H成分(北向き成分)が減少し、強い磁気嵐の主相が発達していることが分かる。
その後、H成分は変動しながら増えて回復相に入っている。オーロラが表れた11 UT過ぎに
強く正に振れ、磁気圏サブストームが発生したことがわかる。

上の3つのパネルは北の地平線から15度の方角を見ている3波長フォトメータのデータ。
波長630nmの赤い光(上から3番目のパネル)の明るさが、11-21 UT(日本時間20-06時)に
変動しながら上昇しており、カラーカメラで撮影された赤いオーロラの画像に対応した増光を
示している。同時に観測している波長557.7nmの緑の光や波長427.8nmの青い光(上から
1番目と2番目のパネル)にはこのような増光や変動はほとんど見られない。

2. All-Sky Images at 630nm and 557.7nm in Absolute Intensity in False-Color at Rikubetsu 
陸別で波長630nm(左、赤色)と557.7nm(右、緑色)の発光を全天カメラでとらえた画像。
光の強さを絶対強度であるレイリー(=10^6/4π photons/cm2/s/sr)単位で疑似カラー表示で表す。
魚眼レンズの像なので、上が北。左が東。右が西、下が南。画面の中心が天頂。露出は630nmが
40秒、557.7nmが30秒。東西から南の地平線近くに見えているのは、魚眼レンズの上に乗っている
シャッターの羽。時刻はUT(ユニバーサルタイム)で、日本時間にするためには9時間を加える。

波長630nmの画像(左)に、10:55 UT (= 19:55 JST)から19:40 UT (= 06:40 JST)まで、
北の地平線近くにオーロラによる発光が見られる。波長557.7nm(右)にはこのようなオーロラ
発光はほとんどみられない。北西方向の地平線近くに見える光は陸別の街明かり。

3. All-Sky Images at 630nm and 557.7nm in count rate in False-Color at Rikubetsu 
陸別で波長630nm(左、赤色)と557.7nm(右、緑色)の発光を全天カメラでとらえた画像。
光の強さを絶対強度に変換する前のカメラのカウント値で疑似カラー表示で表す。図の様式は
上の絶対強度の画像と同じ。

波長630nmの画像(左)に、10:55 UT (= 19:55 JST)から19:40 UT (= 06:40 JST)まで、
北の地平線近くにオーロラによる発光が見られる。波長557.7nm(右)にはこのようなオーロラ
発光はほとんどみられない。北西方向の地平線近くに見える光は陸別の街明かり。
Special thanks to: 陸別町銀河の森天文台    横関信之様(名古屋大学宇宙地球環境研究所・陸別観測所)     加藤泰男様(名古屋大学全学技術センター)     山本優佳様(名古屋大学全学技術センター)     足立匠様(名古屋大学全学技術センター)

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